『宗教を知ろう』パネラーインタビュー 広田牧師
こんばんは。
法善寺副住職の中山龍之介です。
本日は『宗教を知ろう』にパネラーとしてご協力いただける、広田牧師のインタビューを掲載させていただきます。
広田さんの生い立ち、キリスト教との出会い、『宗教を知ろう』にご協力いただけた理由などをお聞きしました。
是非ご覧ください!
『宗教を知ろう』パネラーインタビュー
キリスト教牧師 広田叔弘氏
中山:
こんにちは。本日はお時間頂戴しまして、誠にありがとうございます。
まず始めにですが、広田さんの学生時代についてお話していただけますか?
広田:
私は両親ともに東京出身で、12歳までを世田谷区上野毛で過ごしました。お寺が運営している幼稚園に通っていて、そこの本堂で過ごす時間が好きだったのを覚えています。また、母方の祖父の影響で寺社巡りをしたり、実家は浄土宗のお寺の檀家でしたので、良くお墓参りに行ったりしていました。
中山:
小さい時からキリスト教の影響を受けたわけではないんですね。
広田:
そうですね。子供のころにキリスト教の教会に行ったことはありません。その当時も今も、私は『この世を超えた何か』と触れて、私自身が生かされている命であることを感じないと、心が苦しくなってしまいます。お寺の本堂で過ごす時間やお墓参りに行くのは、そういう私にとっては心地よい時間でした。
反対にこの社会においては適応するのが苦手でした。中学校に上がってからは不登校になってしまい、高校にも進学しましたが17歳の時に中退し、そこから20歳までは家で引きこもっていました。
中山:
20歳の時に、家から出るきっかけは何だったんですか?
広田:
知人から勧められて、教会に行ったことです。それまでは教会には行ったことがなく、今でも覚えていますが1981年3月18日に梅ヶ丘教会に行きました。いきなり日曜礼拝に行くのは私にとってはハードルが高かったので、平日の水曜日であるその日に行きました。牧師さんとお話をして、次は日曜礼拝に来ることを勧められました。初めての日曜礼拝はとても緊張していたのを覚えています。それから、日曜の礼拝、水曜の祈祷会、金曜の面談という形で教会に通うようになりました。
聖書も読むようになりましたが、そういう生活になってから間もないころ、これは神秘体験と言った方が適切なのかもしれませんが、私は突然『神に愛されている』と感じることが出来ました。キリストの視線を感じることが出来たと言いますか、何とも言葉では形容できない体験をすることが出来ました。
そして初めて教会に行ってから三ヶ月も経たないうちに洗礼を受け、そこからは牧師になるというのが自然な流れでした。
中山:
牧師になるためにはどのようなステップを踏みましたか?
広田:
牧師になるためには神学大学に行かないといけないのですが、私は高校を中退しておりましたので、まずは定時制高校に通いました。22歳の時に入学し、そこを4年間で卒業してから東京神学大学に入学しました。大学院までの6年間を同大学で過ごし、無事に卒業できました。そのあとは下石神井教会で主任担任教師に就任し、2008年に20歳の時に初めて行った教会である梅ヶ丘教会に移りました。今日まで、そこで牧師として務めています。
中山:
『宗教を知ろう』パネルディスカッションにご協力いただけた理由は何ですか?
広田:
今回は私の教会に良くお越しになる方からの繋がりで中山さんにお会いできました。最初にこの企画を聞くとき、中山さんは日曜礼拝に参加してくださり、その姿を見て信頼できると思いました。他の宗教の行事に参加するというのは、出来そうでなかなか出来るものではありませんし、他宗教を尊重されていると感じました。
私も他の宗教に対してアレルギーのようなものはありません。違和感なく尊重しています。そういった中で今回の企画をお聞きしまして、もちろんご協力させていただきます、とご返事させていただきました。
中山:
何だか恐縮です笑。
最後に、『宗教を知ろう』に参加される方々へのメッセージをお願いします。
広田:
目に見えない世界を大事にしてほしいとお伝えしたいです。宗教が良い・悪いというのではなく、信じる心そして神仏とつながる心を大事にしてほしいです。説明するのが難しいところではありますが、人・もの・自然を超えた、そういった心を参加されたみなさんには感じていただければと思います。
広田さん、ありがとうございました!
広田叔弘(ひろた よしひろ)
1960年東京都出身。1993年3月東京神学大学大学院修了。同年4月下石神井教会主任担任教師就任。2008年3月同教会離任。同年4月梅ヶ丘教会主任担任教師就任。現在に至る。
他に、恵泉女学園中学・高等学校聖書科非常勤講師。恵泉女学園理事。日本聾話学校評議員。日本FEBC番組講師。著書『詩編を読もう』(上巻・下巻)〔2019年日本キリスト教団出版局〕
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南無阿弥陀仏