11月のお寺の掲示板
11/1のブログです。
こんばんは。
法善寺住職の中山龍之介です。
ついに11月突入です。早いもので、今年も残り2ヶ月を切ったわけですが、まだ気温が高いためそんな実感がありません。
東京では、明日明後日と夏日(最高気温25℃)になるという予報もあります。報恩講の日に天気が良いのは嬉しいのですが、そこまでいくと良いのやら悪いのやら。どこかでグッと冬が来るんじゃないかと恐れていますが、まずは体調第一で過ごしていきます。
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11月のお寺の掲示板
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さて、11月に入ったということで、お寺の掲示板を新しくしました。
今回は『楓林(ふうりん)』と書いてみました。楓は紅葉を想起させる秋の季語だそうです。杜牧の『山行』という漢詩から抜粋した言葉になりまして、原文は以下のとおりです。
遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅于二月花
【書き下し文】
遠く寒山に上れば石径斜なり
白雲生ずる処人家有り
車を停めて坐に愛す楓林の晩
霜葉は二月の花よりも紅なり
【現代語訳】
人気のない寂しい秋の山を遠く登れば、小石の道が斜めに続いていき、
白い雲の湧くあたりに人家がポツンポツンと見える。
夕暮れ車を停めさせてしみじみとカエデの林を眺めると、
紅葉した葉は春の桃の花よりも赤い。
今回は淡墨で少字数を書きたかったので、全文ではなく二文字のみを抜粋しました。季節っぽい言葉にしたかったので楓林としましたが、今更ながらもう少しお寺っぽいことと言いますか、仏教に準えたことの方が良かったかな、と反省しています。
全紙というサイズの紙を縦半分にした角というサイズを採用しましたが、これに二文字で入れるのはちょっと難しかったです。一文字目をデカく、二文字目をさらっと書いて、空いた左側に落款、という構成にしましたが、正解だったかは分かりません。
たた、淡墨を使うと決めたくせににじみを上手く使いこなせませんでした。何枚か書いてにじみが上手くいったのもありましたが、今度は構成が上手くいかなかったり。納得するものを書き上げるのは本当に難しいです。
ただまぁ、淡墨の淡い色合いで、何となく涼しくなってきて季節感を感じてもらえれば嬉しいなと思います。明後日の報恩講はこちらの書でお迎えしておりますので、お越しの際には是非とも御覧くださいませ。
今日もブログをお読みいただきありがとうございます。今年も早いなぁ。
南無阿弥陀仏
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