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お経の解説シリーズ⑤ 阿弥陀経

こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


緊急事態宣言の延長が正式に決定しました。医療以外の現場を知らない分科会や菅さんやらに色々と思うことはありますが、ルールはルールですので従わないといけません。


これを受けて、3月のお彼岸や声明の会についての対応を本日法善寺のLINEでご連絡しようと思っていたのですが、万が一を考えて正式に決定されるまで待っていました。明日の朝に配信しますので、ご登録いただいている方はご確認くださいませ。



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お経の解説シリーズ⑤ 阿弥陀経

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さてさて、すっかり時間が空いてしまい申し訳ございません。久しぶりにお経の解説シリーズをやっていこうと思います。


前回『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』をやりましたので、今日は『阿弥陀経(あみだきょう)』です。これで浄土三部経を全てコンプリートしたことになります。色々飛ばしていきますので、細かく知りたい方は現代語訳も出ております。どうぞAmazonなりでお買い求めください。


阿弥陀経は浄土三部経の中で一番短いお経で、小経(しょうきょう)とも呼ばれます。年忌法要などで読まれるお経で、浄土真宗では一番読まれるお経じゃないでしょうか。般若心経ほどではありませんが、普通に読めば10~15分くらいで読み終わりますので、それなりに短いお経です。


阿弥陀経は、お釈迦様が祇園精舎というところで説かれたお経と言われています。そこには弟子を含めたたくさんの人々がいて、その前で話をされています。その中でもお釈迦様の十大弟子の一人で『智慧第一』と言われる舎利弗(しゃりほつ)に語り掛けるように進んでいくのが特徴です。なんと『舎利弗』という言葉は、阿弥陀経の中に36回も登場するんです。


阿弥陀経のざっくりとした概説を言うと、『南無阿弥陀仏のお念仏によって極楽浄土に往生することが出来ることは嘘偽りではないと、多くの仏様たちが称賛されている』というものになります。ただし、最初から最後までずーっと讃えているかというとそうではなく、このお経にも流れがあります。


まず始めに、ここから西の遠くに行ったところに極楽浄土という国があって、そこでは阿弥陀仏が現に今説法していると言われます。また、『極楽浄土とはこんなところですよ~』というのが細かい描写で描かれています。この阿弥陀仏と言う仏様は、光明無量(はかり知れない光)・寿命無量(はかり知れない命)であるという、阿弥陀仏の本質的なはたらきが語られています。


次に、この極楽浄土に往生したいものは、1日ないし7日間念仏を称えれば叶うと説かれています。若一日・若二日・若三日・・・・・若七日の部分で、その前には『執持名号(しゅうじみょうごう)』、つまりは『南無阿弥陀仏の名号を忘れず心に保持し称える事』ということです。念仏には様々な種類があるというお話を依然させていただいたかと思いますが、阿弥陀経ではここで『称名念仏(名を称える念仏)』を選び取るように説かれています。


そして次の区分で、この称名念仏による浄土往生が間違いないものであることを、東・南・西・北・下・上の六方の仏様たちが称賛しています。いわゆる『六法段』と呼ばれる箇所で、もしかしたら聞いている方でも『あれ、さっきから似たようなフレーズが繰り返されてないか?』と思われるかもしれませんが、それがここです。


六法段、最初の東だけ少し始まり方が違いますが、他は『舎利弗・●方世界・有●●仏・●●仏・・・・・●●仏・如是等・恒河沙数諸仏・各於其国・出広長舌相・徧覆三千大千世界・説誠実言・汝等衆生・当信是称讃・不可思議功德・一切諸仏・所護念経』というフレーズです。どの方角なのか、そこにはどんな仏様がいるのかは変わりますが、後半の如是等~~所護念経までは全く同じなんです。


ちなみにこの部分だけを訳すと『~~これらのガンジス河の砂の数ほどのたくさんの諸仏がおられ、それぞれが自分の国で、三千大千世界の隅々に渡って、極楽の素晴らしさを説かれています。従ってあなたたちは、この思いはかることのできない勝れたはたらきをほめ讃えるすべての諸仏に護念された経典を信じなければならないのです』となります。


次のパートでは、念仏を信じ称賛するものは、現世では諸仏に護られ、命終に際しては阿弥陀仏によって救われて極楽浄土に往生できると説かれています。


一番最後の結びでは、この教えを聞いた人々が、この教えを信じ喜び、仏様に礼をして去っていった、と説かれています。『信じ喜び』というのが正に『歓喜』を表していますね。信じることによって喜びの心が湧き上がってくる、そしてその喜びの心こそが信心なんですね。ほっと暖まる心です。


阿弥陀経は短いですが、こうやって振り返ってみると浄土真宗の教えがぎゅっと詰まっているかのようなお経です。年忌法要などで読む機会はたくさんありますが、改めて心からこのお経を頂きながら拝読したいなという気持ちになりました。


これにて浄土三部経の解説は終わりとなります。浄土真宗で頂いているお経はこれですべてなので、これからは他宗で頂いているお経や、仏教の根幹となる教えが詰まっている初期経典を取り上げてみようと思います。私自身も勉強しながらですので、優しく見守ってくださると幸いです。


それでは、いつになるかは分かりませんが、次回もまたお楽しみに。



南無阿弥陀仏

 

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