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御冥福をお祈りします、を用いない理由

3/11のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


今日は3月11日、東日本大震災から丸々13年が経ちました。東北の方ほどではありませんが、私もその地震を体験した身で、やはり忘れられない日です。13年前と聞くと、もうそんなに経ったのかという気持ちになりますが、復興に終わりはありません。


今年は能登半島地震がありました。13年スパンでこんなに大きな地震に再び見舞われるなんて、他国では考えられない程地震の多い国が日本です。だからこそ助け合いが必要なわけで、今は支援する側かもしれませんが、近い将来こちらだってどうなるか分かりません。今自分に出来ることをやっていければと思います。


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御冥福をお祈りします、を用いない理由===============================


震災での被害があったときもそうですが、誰かが亡くなった時に『御冥福をお祈りします』という言葉が用いられていることが多々あります。亡くなった方に想いを寄せるという気持ちで発している方が多いと思いますが、実は浄土真宗ではあまり用いない言葉だったりします。


御冥福とは、冥土での幸福、という言葉から来ているのは、何となくイメージが出来るかもしれません。では冥土とは何かも調べてみると、『亡くなった方が行く、暗黒世界』という答えが返ってきます。また他にも、『六道の中の地獄道、餓鬼道、畜生道という三悪道』という答えも出てきます。


つまり冥福とは、『暗黒世界での幸福』もしくは『三悪道での幸福』という意味になってきます。たったここまで来ただけで、『あれ?冥福ってそういう意味だったの?』とお思いになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


浄土真宗では、信心の具わったお念仏を称えると、阿弥陀仏のおはからいによって極楽浄土に仏となって往生する、と説かれています。阿弥陀仏は光に例えられる仏様で、その阿弥陀仏がつくられた極楽浄土は決して暗黒世界ではありません。ましてや、三悪道でもありません。


こういった考えから、浄土真宗では『御冥福をお祈りします』という言葉を用いないわけです。どなたか亡くなった際には、『お悔やみ申し上げます』もしくは『ご愁傷さまでした』というお言葉をお伝えするようにしております。


とはいえ、『御冥福をお祈りします』があまりにも一般的な言葉になってしまっているので、それを頭ごなしに否定する気もありません。その言葉の裏にある、故人を悼むお気持ちをお持ちであることが、何より大切なのかなと思っています。


今日もブログをお読みいただき、ありがとうございます。改めて、東日本大震災にてご家族やご友人を亡くされた方々に心よりお悔やみ申し上げるとともに、未だに元の生活に戻れず苦しまれている方々に心よりお見舞い申し上げます。



南無阿弥陀仏

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