書道1月号課題提出
こんばんは。
法善寺住職の中山龍之介です。
今日は暖かい一日でした。相変わらずバタバタしておりまして、午後には書道の課題提出がありました。セコセコと準備して提出してきましたので、前置きはこの辺にして提出した課題を解説していきます。
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書道1月号課題提出
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さて、早速振り返っていきます。
●半紙
写真左上にある半紙ですが、今月は『春服既成』の四文字でした。『春の服がすっかり身に付いた』という意味みたいで、暦の上では春が始まる1月のもう下旬に書くには、ちょうど良い四文字です。
2枚ある内の上が楷書、下が行書になりますが、楷書は『春』の頭の部分が普段使われている字とは違っています。『責』の頭部分から右左に払いが伸びている、という構図ですが、古典としてはよくある形みたいです。行書は現代と同じ字を使っていますので、どちらも良くある形という事ですね。
細かく言えば『服』のツクリも少し形が違いますが、書道は古典における慣用(一般的に使われていた)の字を採用しますので、このような形となりました。また『成』は、中の『刀』の一本無いみたいなのの右上と、上から斜めに突き刺さる線がぶつかるのが書道における『成』の慣用という話を前に聞きましたので、それを意識しました。
草書も書いていたのですが、『春』がどうしても縦長になりすぎてしまいますので、今回は行草体は行書にて提出しました。
●細楷
写真左下の『細楷(さいかい)』ですが、やっと慣れてきた感じがします。提出し始めたのが遅かったという事もありますが、いまだに下から2番目のクラスにいますので早く抜け出したいです。
●条幅 楷書
縦長(半切)ゾーンに入りまして、一番左が楷書です。『少年易老學難成 一寸光陰不可輕 未覺池塘春草夢 階前梧葉已秋聲』という漢詩の前半部分になります。頭の部分は中国語でもお分かりになるかと思いますが、訳すと『少年老い易く 学成り難し 一寸の光陰 軽んず可からず 未だ覚めず池塘 春草の夢 階前の梧葉 已に秋声』となります。『少年老い易く学成り難し』はあまりにも有名ですね。
最初の2文字が『少』と『年』ですが、意外とここで中心を取るのが難しかったです。こうやって見てみると、この作品も少しずれているような気がします。『學』は現代で使われる『学』ではなく元々の字を採用しました。字画が多くて大きくなりがちなのは仕方ないとして、その影響で次の『難』まで大きくなってしまうことが度々ありました。提出した作品では、そこの大きさは上手くいったと思います。
2行目に出て来る『光』ですが、年始の御朱印で書きまくりましたので慣れた字です。ただその時は、真ん中の横画は短く書いていました。その時はあの横画を長く書いてしまうとどうしても決まらなかったのですが、今回は上手く書けたと思います。この14文字の中で、特にお気に入りの文字となりました。
またこだわりポイントとしては、同じような横画が続く『不』と『可』をそれぞれ雰囲気を変えたことです。『不』は細く長く、『可』は太く短くしてみました。意外とアクセントになって、全体を通してみるとよかったんじゃないかと思います。
楷書は、今回のが上手く評価されれば次のクラスに上がれます(天→褒嘉)。さて、どうなることやら。全力は尽くしましたので、あとは結果を待つばかりです。
●条幅 漢字
はっきり言って苦手分野の『条幅 漢字』ですが、今回のが上手く評価されれば次のクラスに上がれます(地→天)。ということで頑張っていろいろ工夫しながら書きました。
こうやって改めて見てみると、『少年易老』の四文字までは上手く流れを作れていた気がしますが、そこからは真っ直ぐすとんと落ちてきてしまっています。ただ文字の大小は思い切って付けられたかなと思います。特に『老』と『學』はかなり差がついています。
上手くいった箇所としては『不』の斜めの線でしょうか。擦れさせたので、右の『學』と比較して潤渇が上手く表現できたのではないでしょうか。
次のクラスに上がれるかは分かりませんが、これが私の実力ですので甘んじて受け入れるのみです。
●条幅 まじり
次に『まじり』ですが、『新しき明日の来るを信ずといふ自分の言葉に嘘はないけれど』という石川啄木の書いた歌です。病弱だった石川啄木が、明日を迎えられるかどうか分からない中で書いた歌のようです。
全体的にはちょっと細い印象ですが、潤渇は上手く使えたかなと思います。ただ『新しき明日の来るを』までが少し真っ直ぐすぎて流れを作れていません。1行目も2行目も、下に行くと中心に寄り添っていくように書くのは鉄則なんですが、特に1行目は『信』から急にどたどたっと中心に寄って言っている感じがします。
ただそんな『信』は、空海の風信帖に出て来る草書体を採用しました。学んだ字をこういう風に使えるのはとても嬉しいです。
●条幅 創作
そして最後は一番右の創作です。『少年易老學難成 一寸光陰不可輕 未覺池塘春草夢 階前梧葉已秋聲』という漢詩をフルバージョンでお届けしております。
時間が無さ過ぎて事前に書くことが出来ず、教室に行ってその場で書き上げたものになります。前半部分は『楷書』や『漢字』で何度も書いたので慣れていたのですが、後半部分は始めましてで大変でした。ただそんな中でも、『末覺』の二文字は太く濃く大きくし、その次の『池塘』は細く小さくしたりするなど、強弱を付けられたと思います。
この中で意外と好きなのは右下の『光』です。右払いと左払いがプリングルスのヒゲみたいで可愛くないですか?
とまあそんなこんなで、今月も無事に課題を提出できました。来月分はまた明日から始まります。2日連続の書道教室ですが、楽しんできます。
南無阿弥陀仏
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