楷書の書き比べ
9/7のブログです。
こんばんは。
法善寺住職の中山龍之介です。
今日は午後に、若いお坊さんが集まっての勉強会がありました。日常の仕事に追われる中であまり勉強の時間を取れなかったりもしますので、こういう機会は大変貴重です。難しい話ではありましたが、その分頭には良い刺激となりました。ありがとうございました。
こう言った勉強会は、横のつながりを作れる会でもあります。東本願寺派は、浄土真宗の中で見ればマイナーな宗派になります。こういった機会で、他のお寺さんとお話をして、さまざまな意見交換をするのはとても貴重な機会です。今日も今日とて、その機会を存分に味わせていただきました。ありがとうございました。
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楷書の書き比べ
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そんな今日でしたが、午前中は書道教室がありました。久々の通常回の授業でして、前半は法帖のお勉強、後半は毎月の課題制作の時間となりました。
まず法帖ですが、今日は黄庭堅の黄州寒食詩巻跋の提出でした。今までの書き置きもあったのですが良い出来ではなかったので、今日書いてそのまま提出する予定でした。ただ残念ながら、今日の作品も受理されるには物足りず、宿題となってしまいました。
厳密に言えば、今日書いたものは字自体は先生にとても褒められました。ただ、最初の数行の出来があまり良くなく、行間も余分に空いてしまいました。この字で、行間が良ければ申し分ない、とのことでしたので、お寺でもう一、二踏ん張りして、より良いものを提出してみせます。頑張ります。
そして後半の課題制作では、いつもの流れの通り、最初は楷書、ということで楷書を書きました。唯一と言っても良いほど、割と順調に昇級を果たしている科目で、最初がレベル1なら今はレベル4にまで来ました。研究科に通い始めて一年以上経ちますが、各レベルで2ヶ月連続で上位に入れないと昇級出来ませんので、これでも良いペースなはずです。
今日はとりあえず3枚書きました。右から1枚目、一番左が3枚目になります。どういう点を考えながら書き進めていったのかを共有できればと思います。
まず1枚目は、2回出てくる漢字の『金』『江』『龍』『月』を書き分けよう、くらいしか考えていませんでした。そして実際に書き進めると、さんずいの多さに気が付きました。14文字中、5文字がさんずいです。そこにどう違いを付けようか、と考える訳です。また、墨をつけた字が少し分かりにくかったので、一つ目の『月』と『湧』をきちんと黒くしよう、と思い2枚目を書きました。
その辺りを注意しながら書いた2枚目ですが、慣れたのか字が少し大きくなり、1行目に入る文字数が変わってしまいました。『揺』が二行目の頭に来てしまったことで、下の方がスカスカになってしまいました。ということで、落款を二行にして少し濃い印象を作ってみました。ただそれでも一行目の下がスカスカすぎるので、やっぱり『揺』まで入れ込もうと3枚目を書きました。
そして3枚目、一応意識したことはそれなりに網羅できたかな、という作品が書けました。二行目の頭の『月』が変に横広になっっになっちゃったかなと思いましたが、まああとはそれなりか、と納得していました。
ここで先生からアドバイスをいただいたのですが、筆に墨が残っていない状態で書く字の線が同じようなものが多いとのことでした。確かにそう言われると、二行目の『龍』なんかはほとんど同じ線質で書かれています。
そして先生がデモンストレーションをしてくださったのですが、同じ筆、同じ墨で書いているはずなのに、全然違う線を書かれていました。墨なんかほとんど残っていないはずなのに、『え、指先から墨が垂れてます?』と思ってしまうくらい、黒々した線を書き上げています。力加減と書く速度なのでしょうが、見ていると簡単そうなのに自分ではなかなか再現できません。こればっかりは経験みたいですので、何枚も何枚も書き重ねる経験を積まなければいけません。
ということで、来週の提出を控えながら、楷書も宿題となりました。大変ですが、自分ができる範囲でしか書かなければ成長はありません。限界をノックし続けなければ限界は広がりませんので、できる限りの足掻きを見せてやろうと思います。
今日もブログをお読みいただきありがとうございます。試行錯誤の書道でございます。
南無阿弥陀仏
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