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版画家の谷内正遠さんがご逝去

7/30のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


今日は不安定な天気が続き、法善寺のある台東区では午後3時頃に強い雷雨に襲われました。ちょうどその時、来年度の声明学園に向けて先生方に集まって頂き、時間割を決めているところでした。終わるころには雨も弱まっていたので良かったですが、それにしても凄まじい音のする雷雨でした。


お陰様で無事に来年度の授業割りも決まりました。50年以上続く歴史を持っていますが、未だに今年度の反省も生かしながら改善を繰り返しています。来年度からは希望科目のみの受講も可能ですので、近い内に授業割りはこのブログでも公開させていただきます。ご興味のある方は是非、ご連絡くださいませ。


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版画家の谷内正遠さんがご逝去 =========================


さてそんな今日の夕方頃、とてもお世話になっている先輩(というか先生?)僧侶からLINEがありました。珍しいな、と思い開いてみると、とある新聞の訃報記事の写真で、版画家の谷内正遠さんがお亡くなりになったことを知りました。法善寺が毎年制作しているカレンダーの版画を描いてくださっている方で、大変驚きました。本来であればこういうことはブログで書くべきじゃないかもしれませんが、今日ばっかりはご勘弁ください。


今年の6月中旬頃だったでしょうか、例年通り今年の分の版画を送って頂けないでしょうか、と谷内さんにお電話しました。その際、大きな手術をされたと仰っており、声も少しか細かったのを覚えています。大変な時に電話してしまったと謝ったのですが、谷内さんはすぐに快く版画をお送りいただきました。まさかお亡くなりになるほど悪かったとは知らず、ただただ驚いております。こんなブログ上で申し訳ございませんが、この場を借りて哀悼の意を表します。


谷内さんとはカレンダーの仕事で何度もお電話やLINEでのやり取りはさせていただきましたが、実はお会いしたことはありませんでした。私がこのカレンダーの仕事を父から引き継いだのが昨年6月からで、その頃には既に日本全国がコロナ禍、谷内さんがいらっしゃる石川県まで伺う事が出来ませんでした。また、その年の10月に個展をされるということでお誘いも頂いていたのですが、その時には私自身が父のことで身動きが取れず、やはりお会いすることは叶いませんでした。


谷内さんの版画は、素朴ながらも素敵な色遣いで私はとても好きな作品でした。淡い中にバキッとした色を混ぜ込んだその版画をデザインしたカレンダーは、お配りしているお檀家さんやお寺さんからもとても好評で、みなさん毎年楽しみにされていました。それだけに今回の訃報は大変残念でなりません。


谷内さんが亡くなったことで新たな作品は生まれないかもしれませんが、遺された作品は生き続けます。月並みかもしれませんが、そういう意味では作品というのは本当に強い力を持っています。


今日の声明学園の授業割りでも、先生方から『大先生(私の祖父)の資料を基に』とか、『大先生の資料にはこう書いてあった』とか、6年前に亡くなった祖父の影響が未だに残っています。祖父が立ち上げた声明学園を作品と呼んでいいのかは分かりかねますが、祖父が遺したものは今でも生き続けています。


生前に御縁を頂いた我々としては、谷内さんが遺された作品を紡いでいくことが務めだと思います。弔いになるかは分かりませんが、まずは今年のカレンダーを無事に届けられるよう、尽力いたします。お浄土より見守っていただけると幸いです。



南無阿弥陀仏

 

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