神は細部に宿る
こんばんは。
法善寺住職の中山龍之介です。
今日は暖かい土曜日でした。ウレタンのマスクだと残念ながら花粉を感じたため、使い捨ての不織布に切り替えて生活していました。マスクを変えるだけで花粉を感じなくなりましたので、やはり花粉症は治ってると言っても過言ではないんではないでしょうか。
そんな今日の夕方、建て替えに向けての話し合いを母と妻の三人でしました。昨日設計事務所さんからいただいた案を基に、『これはこうした方がいいかな』とか『ここにこんなスペース要らないかな』とか『動線がどう』とか、色んな話し合いをしました。
その結果を設計事務所さんにメールして、次回の打ち合わせでそのアンサーを持ってくる、という流れになっています。図面上ではありますが、段々と出来上がっていくのはやっぱり楽しいです。きちんと色んなことをシミュレーションしながら、引き続き考えていきます。
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やっぱりこだわらないと
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さてそんな今日の午後でしたが、前にブログでも書きましたが、葬儀のリーフレットを印刷に出していたので取りに行ってきました。上野にあるとあるチェーン店に頼んだのですが、受け取って家に帰ってから見てみると、山折りになっているところが汚かったり、まっすぐ折れていなかったりしていました。しかもほぼ全数がそういう状況でした。
これはまずいなと思い、すぐにお店に商品を持っていき、事情を説明しました。こちらの要望を伝えた上で作り直してもらう予定ですが、もしかしたらお店側から『これ以上のクオリティは無理です』という返事が来るかもしれません。そうなった場合は、残念ながら返金していただき違うところに頼もうと思っています。
リーフレットは人の目に触れるもので、そのリーフレットを通して法善寺のレベルが見られてしまいます。こんなちゃらんぽらんなブログを書いてはいますが、やっぱり締めるところは締めたくて、こだわるところにはこだわっていきたいと思っています。ましてやデザイナーさんの手を借りて作ったものですので、折角の成果物がクオリティ低かったら申し訳ないです。
他の人から見たら『別に気にしないで良くない？』と思われそうなところですが、『神は細部に宿る』とも言います。そんなところ見てないよ、というところにまでこだわることで、実は全体の雰囲気が決まってきたりもします。
これはお寺の建て替えでも同じことが言えるかもしれません。例えば、お檀家さんやお客さんの中にはタバコを吸われる方もいらっしゃいますのでもちろん喫煙スペースは設けますが、『喫煙所はこちらです』という案内板は絶対に作りたくないと話をしました。その案内板があるだけで一気に現実感が出てしまい、折角のお寺の雰囲気が台無しになってしまうからです。ただ『あ、ここでタバコ吸えるんだな』という雰囲気を出すようにすることは必要で、そこまで上品にエスコートできるような仕掛けを考えておかないといけません。
設計事務所の方がおっしゃっていましたが、『関係者以外立ち入り禁止』と書くのは野暮なので、様々な仕掛けで『あ、あそこから先は行っちゃいけないんだな』という雰囲気にすることが出来るそうです。例えば、廊下の途中に１段設けたり、廊下の幅を狭くしたり、照明を暗くしたり、、、ドアで区切られている訳では無いので、実際には全然通れるんですが、こういう仕掛けでそういう雰囲気を作り出すそうです。
あとは、トイレなどの場所を示すピクトグラム（人型のシルエットみたいなやつ）にもこだわりたいと思っています。小さいマークにすぎませんが、割とあれだけで雰囲気がガラッと変わります。一般的な『赤のスカートは女性』『黒のスーツは男性』みたいのをそのまま採用してしまうと、それだけで台東区役所みたいな雰囲気になってしまいます。
こんなことを書きながら思い出したのが、第２回『宗教を知ろう』のパネリストをやって頂く予定の市橋俊水さんのお寺『明王院』のトイレのピクトグラムです。一目見ただけで、分かりやすさの中にも、他とは違う個性（ありものを使ってる感が無い）と可愛らしさがあって、とても素敵でした。さすが元イラストレーター、というこだわりがあれだけで感じ取ることが出来ました。
ただ、（色んなことを言いましたが）こだわりまくって分かりづらい、というのだけは避けないといけません。相手に伝わらなければただの自己満足ですので、分かりやすいのはもちろん、その中に個性も出て来るような成果物にしていきたいと思っています。
ちなみに、リーフレットを希望通りのクオリティで作り直せるかどうかの返事は週明けになるみたいです。正直厳しいと思っているので、次の発注先を探しておきます。
南無阿弥陀仏
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