臨書に全力を注いだ日
9/2のブログです。
こんばんは。
法善寺住職の中山龍之介です。
そういえば、もう9月に入り、来週から声明学園が始まります。本入学ももちろん歓迎しておりますが、今年からは科目ごとの受講も可能となっています。得度を考えているので正信偈や阿弥陀経を勉強したい、葬儀の勤行を重点的に勉強したい、などのご希望に沿うことが出来ます。
ということで、以前にもブログで公開したかもしれませんが、今年度の声明学園の授業予定を改めて(初めてかもだけど)公開します。是非ご確認くださいませ。
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臨書に全力を注いだ日 ==================
さて、今日は午後に書道教室に行ってきました。8月は、お盆休みの振替えやら、7月休んでしまった分の振替やらで週に2回のペースで通っていましたが、今月からは通常運転の週1回に戻っていきます。
今週1回目の火曜日は法帖(篆書の練習)と濫觴(課題の練習)を1時間ずつ行いましたので、今日は濫觴のみで2時間を費やしました。
毎月の課題は全部で6種類あるのですが、今日は臨書の課題に取り組みました。師範養成科時代にはなかった課題で、半切に2行書きで臨書をしていきます。
今月の課題は王鐸(おうたく)という方が書いた『擬山園帖』という作品から、『狼狽藥裹命蹇澀如是耶、弟鐸』と臨書しました。この王鐸という方は1592年に生まれた方なので中国四千年の歴史の中では比較的新しい方です。今日初めて見ましたが、王鐸の作品のみから作った字典もあるほど、有名な方です。
まず、見よう見まねで1枚書いてみました。こんな感じかしら?やっぱり違うわね?と思いながら、先生のお手本や原本を見つめていると、すかさず先生が助け舟を出してくれました。臨書において注目すべきところを的確に教えてくださり、実際に書きながら見せてくれました。臨書の心得は備えていたつもりですが、今までよりも細かい点を意識するよう求められていて、さすがは研究科と感じました。
まずは線をきちんと見るように言われました。細い線、太い線、細く入って太くなる線、太く入って細くなる線、他の線と接している線、他の線と離れている線、一つ一つの線を分解して見ていきましょうとのことです。先生レベルになれば、その線を見ながら自分の筆に落とし込むことも出来ますが、私レベルではまだまだ無理な話です。一生懸命線を見ながら真似ますが、表現しきれなかったりそもそもきちんと線を捉えられていなかったり、レベルが高いです。
先生が仰っていましたが、『まずは奴書(どしょ)たれ』という言葉があるそうです。奴書とは、お手本の奴隷のようにそのまま書き写すことだそうです。一分の狂いもなく真似ようとすることが大事みたいですが、肝なのが『まずは』と言っているところです。初めは形臨(形を真似て書く)で良いのですが、段々と意臨(作者の意図を汲み取って書く)になっていきなさい、とのことでした。
この形臨と意臨ですが、調べてみると背臨なるものもあるみたいです。お手本の書風を自分のものとして取り込んで書くことを言うみたいで、個人的には『守・破・離』に当てはまる言葉だなーと思いました。まだまだ別次元のお話ではありますが。
ということで先生のアドバイスを頂きながら、2時間みっちり臨書しました。最近改めて気付きましたが、一つのことに没頭できる能力というのは、自分は割と高い気がします。今日もがっつり書き込んだので、先生から『疲れないの?』と言われました。まあ確かに疲れましたが、そんなこと気付く間もなく集中しておりました。
ということで今日も楽しい書道の時間でした。出来上がった作品は全然納得できるものではありませんが、また一つ上のレベルに行くきっかけをもらえた気がします。今日のことを忘れないように、次からも積み上げていけるように、また頑張ります。
南無阿弥陀仏
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